水球の基礎知識(用語)
水球の基礎知識(用語)
水球競技のルールを理解する上で必要な用語以外に、水球の試合解説や練習でよく使われる用語があります。これらの用語を知っていると水球関係者の話も理解できるようになります。なお、これらの用語は、類似球技から流用したものや和製英語もあり、英語では通じないものもかなりあるようです。
退水者が出て、守備側チームのプレイヤーが1人少ない状態での攻撃をいう。
マンツーマンディフェンスにおいて、攻撃側のパスを出そうとしているプレイヤーやパスを受けようとしているプレイヤーに密着マークして、圧力をかけて自由にパスをさせないようにし、攻撃時間の浪費やパスミスの誘発を狙った守備をいう。「プレスをかける」という言い方もある。
攻守が切り替ることをいう。攻撃時間が30秒経過して相手ボールとなった場合、シュートがゴールキーパーにセーブされた場合、シュートが守備側のプレイヤーの手などにあたってボールがフィールドの外に出た場合、攻撃側のプレイヤーがファウルを犯した場合(コントラファウル)、パスを奪われた場合などに発生する。
ターン・オーバー直後の速攻をいう。
攻撃側プレイヤーに対して守備側プレイヤーが1:1で対応して動く守備体制をいう。
守備側のプレイヤーが、ゴール周辺エリアのそれぞれの守備分担を決めて、ボールの位置に対応して動く守備体制をいう。退水時にはこの守備体制に移行することが多い。
マンツーマンディフェンスで、守備側のプレイヤーが、マークしている攻撃側プレイヤーよりもゴールに近い側に位置取りしてマークすることを「インマーク」という。
逆に守備側のプレイヤーが攻撃側プレイヤーよりもゴールから遠い側に位置取りしてマークすることを「アウトマーク」という。
ゴール前付近でパスを受けてシュートを狙うために、攻撃側のプレイヤーがゴール前をめがけて泳ぐことをいい、ドライブともいう。カットインにより攻撃するプレイヤーをドライバーという。
攻撃側のプレイヤーが、守備側又は攻撃側(味方)のプレイヤーと交錯するような動きをすることによってマークする守備側プレイヤーの動きを止めるブロックとして利用し、攻撃側プレイヤーの一人がフリー(ノーマーク)の状態を作ることをいう。
ターンオーバーとなった時に、攻撃権が自チームに移ったことを自チームのプレイヤーに知らせる時に「マイボール」と言う。ゴールキーパーが相手チームのシュートをセーブした場合、相手チームのパスをカットした場合、相手チームが反則を犯した場合などのほか、センターボールを取った場合にも使う。
逆の場合は「敵ボール」と言う。
【攻撃・守備体制に関するもの】
プレス
ディフェンス
ターンオーバー
カウンター
アタック
パワープレイ
ゾーン
ディフェンス
インマーク
アウトマーク
カットイン
スクリーン
プレイ
マイボール
敵ボール
【試合中に選手達が使うもの】
パスを受けるプレイヤーが、自分をマークしている守備側プレイヤーよりも、パスをするプレーヤーに近い位置にいることを知らせる時に「同サイド」と言う。逆にパスを受けるプレイヤーが、自分をマークしている守備側プ゚レイヤーよりも、パスをするプレーヤーから遠い位置にいることを知らせる場合には「逆サイド」と言う。
試合中には、「ドーサイ」、「ギャク」と短縮して言うことが多い。
逆サイドの場合、パスするプレイヤーは守備側プレイヤーにパスカットされないよう大きめにパスする必要がある。
マンツーマンのプレスディフェンスで、ファウルを犯さないように自チームのプレイヤーに注意する時に言う。ファウルを犯すと、相手チームの攻撃制限時間(30秒)の時計が止まり、フリースローが与えられるので、攻撃時間の浪費やパスミスの誘発というプレスディフェンスの狙いに反することになる.。
同サイド
逆サイド
ノーファウル
巻き足
【技術に関するもの】
水中から体を浮かせるために、両脚の膝を中心に足を交互に内側に巻くように動かすフットワークをいう。ゴールキーパーに限らず、水球選手にとって非常に重要な技術である。
ハンドリング
マンツーマン
ディフェンス
ゴール前のポジションにいて攻撃することをいう。自分をマークしている守備側のプレイヤーの隙をついてボールをもらい、シュートによる得点だけでなく、守備側の反則を誘発して、チャンスを作る。フローティングにより攻撃するプレイヤーをフローターという。
フローティング
本来はボールを受けたり投げたりすること全般をいうが、フィールドプレイヤーは両手でボールを扱うことが反則になるため、空中で行う片手でのボールキャッチングからスローイングの技術のことをいう場合が多い。
水面で停止した状態から、移動状態(泳ぎ)に移行するときに行う「あおり足」のような動作をいう。ターンオーバー時などにスムーズに加速するために重要な技術である。
ボールを顔面前に浮かせた状態でクロールで泳いでボールを運びながら移動する技術をいう。
出足
ドリブル
【 シュートに関係するもの】
ワンタッチ
シュート
空中でパスを受けて、そのまま直ちに放つシュートをいう。ゴールキーパーがポジションを移動しなければならないような左右のサイドを変えるパス直後のワンタッチシュートは、ゴールキーパーが対応しづらいため、非常に有効なシュートになる。「ハンツーハンドシュート」ともいう。
ミドル
シュート
ゴールから数メートル以上離れた位置からのシュートをいう。
バウンド
シュート
ノーマーク
シュート
ループ
シュート
ボールを水面で弾ませるシュートをいう。バウンドさせるためには、ある程度以上のスピードでボールを投げる必要がある。バウンドしたボールにはゴールキーパーが反応しにくいため、しばしば目にするシュートである。
周りに守備側プレイヤーがいないフリーな状態で攻撃側プレイヤーが放つシュートをいう。ノーマークは、主にターンオーバー後のカウンターアタックや退水直後の場面で発生にする。
スピードを殺した山なりのシュートをいう。ゴールキーパーの手の届く範囲の上を越えてその背後を狙う場合に放たれる。
バック
シュート
ゴールに背中を向けた状態のままで、自分の後ろに投げるシュートをいう。フローターがしばしば放つシュートである。
ナックリング
シュート
ゴールに向かってドリブルしている状態から、ボールを片方の手で水面上にわずかに下からトスした直後に、ストロークして前に持ってきた反対の手でボールをはじくようにプッシュするシュートをいう。ドリブルの途中でいきなりボールが飛んで来るように見え、ゴールキーパーにとってはタイミングが読みづらいシュートである。
【 反則に関するもの】
リターン
ボールが前方にあって、クロールで泳いでいる状態から、片手でボールを押しながら体を上向きの状態に反転し、後方(泳いできた方向)にボールを投げる技術をいう。
フェイク
ボールを持ってシュートを打つと見せかけて止める技術のことをいい、頭の後ろでボールを左右に振るような動きになる。
マークが離れた攻撃側プレイヤーはフェイクを何度か繰り返してゴールキーパーや守備側プレイヤーのタイミングを外し、自らシュートを放つか、より攻撃に有利な位置にいる味方のプレイヤーへパスを出す。
アドバンテージ
守備側のチームがファウルを犯している場合でも、そのまま攻撃側のプレイを続行させる方が攻撃側にとって有利な状況であると審判が判断した場合には、プレイの進行を止めるような反則はとらずに攻撃側のプレイを続行させることをいう。
攻撃側プレイヤーが守備側プレイヤーを手で押し離すような行為をいう。攻撃側プレイヤーのファウル(コントラファウル)となり、攻守が切り替わるターン・オーバーとなる。
攻撃側プレイヤーが守備側プレイヤーを足で蹴って離すような行為をいう。攻撃側プレイヤーのファウル(コントラファウル)となり、攻守が切り替わるターン・オーバーとなる。
コントラ
ファウル
キックオフ
ハンドオフ
【 旧用語】
水球競技のルール変更に伴って「死語」となった用語ですが、中高年以上の水球経験者の口からまれに聞くことがある用語です。
かつては、軽い反則である「オーディナリーファウル」に対して、重い反則を「メジャーファウル」といった。現在のルールでは、「パーソナルファウル」という用語を使用する。
かつては、ゴールキーパーがハーフラインを越えて相手方陣地までボールを投げることが許されていなかったため、ファウルになった。現在のルールでは、ゴールキーパーはハーフラインよりも自陣側の位置からであればシュートすることもできる。
現在は「ピリオド」の用語が使われている。1試合の1/4という意味で使われた。1試合を4回に分けて実施するのは現在と変わらないが、クォーターの用語が使われた時期には各クォーター毎にサイドチェンジを行った。
クォーター
ハーフオーバー
メジャー
ファウル
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【 競技役員】
レフェリー
(審判員)
試合において他の競技役員と連携をとりながら判定を行い、試合を統括する。
デレゲート
試合運営を円滑に行うために総合的・総括的責任をもち、競技上のトラブルや抗議等にも対処する。
審判審査
レフェリーの判定について試合を公平かつ円滑に行っているか評価し、試合終了後に当該レフェリーに対して講評を行う。
ゴールジャッジ
○ 得点、ゴールスロー、コーナースローの判定を行いレフェリーに合図する。
○ ボールがフィールド外に出てゴールスロー、コーナースローとなった場合には新たに別のボールを投げ入れる。
○ 各ピリオド開始時に選手がゴールライン上に整列していることを確認し、レフェリーに合図する。
○ 不正スタートがあった場合はレフェリーに合図する。
○ 不正入水があった場合はレフェリーに合図する。
タイムキーパー
○ 競技時間と休憩時間を計測し、ブザーで合図する。
○ 各チームのボールの継続保持時間(正味30秒)を計測する。
○ 退水時間とタイムアウトの時間を計測する。
○ 最終ピリオド残り1分を通告員に知らせる。
セクレタリー
○ 試合出場チームの選手名、試合中の得点、パーソナルファウル、タイムアウト、ゴールキーパーの交代等を記録する。
○ 一人の選手が3回目のパーソナルファウルを犯した場合は赤旗と笛で合図する。
○ 不適当な入水があった場合は赤旗と笛で合図する。
○ 退水時間(正味20秒)が終了したときに退水者のチームの帽子の色と同じ色の旗を上げて入水許可の合図をする。
通告
(アナウンス)
試合前の選手紹介、試合開始、試合の途中経過、試合終了等の場内通告を行う。 試合の途中経過として場内通告する項目は、得点、退水、タイムアウト、ゴールキーパーの交代、ピリオドの終了、最終ピリオド残り1分などである。
水球競技の試合は多くの競技役員で運営されています。主な競技役員とその職務を解説しました。これらの競技役員のうち、レフェリーからセクレタリーまではオフィシャルと呼ばれ、水球公認審判資格を取得していることが望ましいとされています。これらの競技役員のほか、得点表示係、パーソナルファウル表示係、センターリング係、ボールキーパーなどの競技役員によって競技が運営されています。
水球競技ハンドブック 2010 財団法人 日本水泳連盟
・水球競技役員の構成と配置
・水球競技役員の職務
【参考文献】
ハーフオーバー
クォーター
攻撃側プレイヤーのファウルをいう。攻守が切り替わるターン・オーバーとなる。