水球の基礎知識(ルール)
水球の基礎知識(ルール)
水球のフィールドの広さは、年齢区分により以下のように定められています。
男子:30m×20m以内
女子:25m×20m以内
A区分・C区分:ゴールライン間の距離は20m以上25m以内
深さは2.0m以上です。
ゴールラインから2m、5mの点線は、水球のルール上必要な基準線で、通常は、フィールドを囲うロープやプールサイドに図のような色で表示してあります。
フィールド
水球のゴールの大きさは、高さ90cm、幅3mです。(A区分の場合は、高さ70cm、幅2mです。)ゴールの前面(ゴールライン)はバウンダリーラインよりも30cm前に出ています。
ゴール
水球のボールは、防水性のもので、大きさは男子用、女子用、ジュニア用の3種類があり、以下の大きさ・重さです。
男子用(一般、大学、高校):周囲68~71cm 重量400〜450g
女子用(一般、大学、高校):周囲65~67cm 重量400〜450g
ジュニアA区分用:周囲58〜60cm 重量300〜320g
ジュニアB区分用:周囲65~67cm 重量400〜450g
ジュニアC区分用:周囲65~67cm 重量300〜320g
大きさはバレーボールよりも少しだけ大きく、重さはバレーボールの約1.5倍です。最近は黄色、ピンク色、紺色の3色のカラフルなゴム製のものが公認球としてよく使われています。)
ボール
試合は、1ピリオド8分間で、第1、第3ピリオド終了後に2分間の休憩、第2ピリオド終了後(ハーフタイム)に5分間の休憩をはさんで、第4ピリオドまで正味32分間の試合時間で行われます。
第1・第2ピリオドは同じフィールドサイドで攻守を行い、第3・第4ピリオドは攻守のサイドを交代します。
1ピリオドの正味時間は8分間ですが、ファウル(反則)があって、次のプレイが再開するまでは正味の試合時間に入りません。このため、実際には1ピリオドが13分から17分位、1試合は1時間から1時間10分位かかります。
試合時間
水球の得点は1ゴールにつき1点で、第4ピリオドまでの総得点で勝敗を決定します。
第4ピリオドを終了した時点で同点の場合、勝敗は大会ごとに定められた方法に従います。引き分けとする方法、2ピリオドの延長戦とさらに同点の場合にペナルティースロー合戦を行う方法、Vゴール方式による延長戦を行う方法などがあります。
得点と勝敗
フィールド内に出場する1チームのプレイヤーは7名です。交代選手が6人認められていますので、1チームとしては計13名で試合を行います。
チームや選手個人を判別するため、試合中は各チームが異なる色(通常は白と青)の番号付きの帽子をかぶります。ただし、ゴールキーパーは1番赤色帽子、交代のゴールキーパーは13番赤帽子に決められています。
選手の交代はどちらかのチームが得点した時、タイムアウト中、ピリオド間の休憩中に行います。1度に6人までで、1試合中に何回でも交代できます。
ポジションは、大きく分けるとゴールキーパーとフィールドプレイヤーに分かれます。さらにフィールドプレイヤーはフローター、フローターバック、ドライバーに分けることができます。 チーム構成はゴールキーパー1名、フローター1名、フローターバック1名、ドライバー4名のパターンが多いようです。
◆ ゴールキーパーは、相手の得点を阻止する役目。
◆ フローターは、相手のゴール前に陣取って、得点を狙う役目。
◆ フローターバックは、そのフローターの攻撃を防ぐ役目。
◆ ドライバーは泳いでマークをはずしてパスを受け、得点を狙う役目。
チーム
攻撃側も守備側もファウルを犯すことはありますが、守備側が多くファウルを犯します。ファウルは、オーディナリーファウル(軽い反則)とパーソナルファウル(重い反則)に分けられます。パーソナルファウルは、さらにエクスクルージョンファウルとペナルティーファウルに分かれます。
オーディナリーファウル
軽い反則のことで、主に次のような場合にファウルとなります。
◆ ゴールキーパー以外の選手がボールを両手で扱った場合(「ボースハンズ」)
◆ タックルされた時にボールを保持したまま水の中に沈めた場合(「アンダーウォーター」)
◆ ボールを持っていない相手の動きを妨げた場合
◆ ボールを獲得してからそのチームが30秒以内にシュートをしなかった場合
オーディナリーファウルを犯した時は、ファウルが起こった場所か、ファウルが起こった場所より相手ゴールから遠い位置から、相手チームにフリースローが与えられます。パスをするか、自分でトスを行います。フリースローを遅滞させた場合はオーディナリーファウルになります。
フリースローの場所が相手ゴールから5m以上離れている場合は、直接シュートすることができます。(フェイクせずワンモーションでのシュートに限られます。)
パーソナルファウル
重い反則のことで、エクスクルージョンファウルとペナルティーファウルがあり、犯した位置や状況で異なります。1人のプレイヤーがパーソナルファールを1試合に3回犯すと「永久退水」となり、それ以降は、その試合には出られなくなります。
【エクスクルージョンファウル】
◆ ボールを持っていない相手を沈めたり、引戻したりして相手の自由を奪った場合
◆ フリースローを妨害した場合
◆ ゴールキーパー以外の選手がシュートまたはパスを両手でブロックしようとした場合
◆ 故意に相手を殴ったり蹴ったりした場合
◆ 審判の指示に従わなかったり、審判を侮辱するような行為があった場合
エクスクルージョンファウルを犯した選手は「退水」になり、相手チームにフリースローが与えられます。
退水とは、20秒間フィールドから退場することです。退水となった選手は、速やかにフィールド外に出て、赤いロープで区切られた再入水エリア内で待機しなければなりません。実際には、退水を命ぜられた選手がフィールドから退場する前にプレイは再開されます。退水を命ぜられた選手は、20秒間経過後または相手チームが得点した場合や自チームがボールを奪い返した場合にはフィールド内に戻って試合に復帰することができます。
【ペナルティーファウル】
◆ 5mエリア内で、相手の得点となりそうな攻撃を反則によって阻止した場合
◆ 退水となったプレイヤーが故意に競技を妨害した場合
◆ ゴールを沈めて、相手のシュートを防いだ場合
◆ 5mエリア内で、故意に相手を殴ったり蹴ったりした場合
5mエリア内のエクスクルージョンファウルは多くの場合ペナルティーファウルとなり、相手チームにはペナルティースローが与えられます。ペナルティースローでは、チームの誰か1人の選手がゴールから5mの位置でボールを保持し、ゴールキーパーはゴールライン上の位置で構えた状態から、審判の合図でシュートをするこができます。ただし、シュートはフェイクすることなくワンモーションで行わなければなりません。
ペナルティーファウルを犯したプレーヤーは退水にはなりませんが、パーソナルファウルが記録されます。
ファウル
攻撃側のチーム(試合中にボールを保持しているチーム)の監督は、いつでもタイムアウトを審判に要求することができます。タイムアウトは相手チームのゴール直後にも要求できます。タイムアウトを要求したチームの監督は、この間にフィールド内の選手に作戦等の指示を与えることができます。1回のタイムアウトは1分間で、4ピリオドの試合中に2回まで取ることができます。
タイムアウト開始後45秒経過すると自チーム陣内から相手陣内へ入ることができます。タイムアウト後1分経過すると自陣内からのフリースローが与えられます。タイムアウトは、単に作戦の指示を与えるためだけでなく、自チームのボールとなった直後に要求すると相手陣内に各選手がポジション取りをした状態から再開でき、しかも攻撃時間が長くとれるという利点もあります。また、選手の休憩にもなります。
タイムアウト
両チームが同時にオーディナリーファウルをおかしたり、2人の審判が同時に別のチームのオーディナリーファウルの判定をした場合などには、ニュートラルスローが行われます。
ニュートラルスローは、ファウルがあった場所に近いサイドライン付近の場所に両チームのプレイヤーを静止させて両プレイヤーのまんなかにボールをトスします。両チームにボールを獲得する均等な機会を与えます。
ニュートラル
スロー
ゴールスローは、ゴールラインから2mの位置で、それまで守備側であったチームに与えられるフリースローです。攻撃側の選手がシュートしたボールが誰にも触れずにゴールラインの外に出た場合のほか、守備側選手に当たってゴールラインの外に出た場合もゴールスローとなります。
コーナースローは、サイドラインの2mの位置で攻撃側チームに与えられるフリースローです。ゴールキーパーが最後にボールに触れてゴールラインの外側にボールが出た場合は、コーナースローとなります。(攻撃していたチームが引き続きボールを保持し30秒間の攻撃ができます。)、守備側の選手が意図的にボールをゴールラインの外に出した場合もコーナースローになります。
ゴールスロー
コーナースロー
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年齢区分
水球の試合は、以下の年齢区分に従って行われます。ただし、個々の大会において独自に年齢区分を定めている場合もあります。
男子
女子
A区分:12才以下の男子・女子
B区分:15才以下の男子
C区分:15才以下の女子
水球競技ハンドブック 2010 財団法人 日本水泳連盟
・日本水泳連盟 水球競技一般規則
・日本水泳連盟 水球競技規則
・日本水泳連盟 ジュニア水球競技規則
【参考文献】